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相続放棄の申述の申立てを管轄の家庭裁判所にした後、2週間ほどで家庭裁判所から「照会書・回答書」が郵送されてきます。この回答書を期限以内に、問題なく回答すれば相続放棄の申述は受理されますが、ご依頼者様から「どのようなことが聞かれますか?」とよくご質問を受けます。(ちなみに、当事務所にて相続放棄のご依頼をいただいたお客様におかれましては、回答書のサポートも業務の一環として対応させていただいております。)
そこで、本コラムでは相続放棄の照会書・回答書について注意点や質問の内容について解説いたします。長野市周辺で相続放棄のご相談は、ぜひ「司法書士・行政書士ハートサポート法務事務所」までお問い合わせください。
1.ご印鑑は、申立書と同じものを必ず使用しましょう!
回答書には、相続放棄の申述人の署名押印を求める欄がありますが、そこに押印する印鑑は、相続放棄の申立書に押印した印鑑と同じものを押印しなければいけません。そのため、相続放棄の手続きにおいて使用する印鑑は、判別のつきにくい三文判のような印鑑ではなく、(ご実印等の)分かりやすい印鑑を押印することをお勧めします。
なお、当事務所では、申立書のコピーを必ず控えるようにしておりますので、万が一、どの印鑑を押印すればよいか分からなくなってしまった場合も、ご相談に応じることが可能です。
2.回答期限は必ず守りましょう!
回答書には回答期限があります。家庭裁判所から照会書が届きましたら、放置せずに早急に内容を確認し、回答をするようにいたしましょう。
3.質問の具体例
当事務所では、数多くの相続放棄の申立書の作成業務を行っておりますが、具体的には、下記のような質問例が実際にありました。
傾向として、被相続人が亡くなってから3か月以内に申し立てた相続放棄については、簡単な質問内容である場合が多い傾向です。一方、被相続人が亡くなってから3か月を経過した後に申し立てた相続放棄については、その経緯等を求める質問がされることが多く、前記に比べ、多少質問の内容が複雑な場合があります。
質問例① 相続放棄の申述は、あなたの本当の気持ちに基づくものですか。
他人が勝手に相続放棄の手続きを取っていたり、他人に相続放棄を強要されてりしていないか確認する質問です。また、相続放棄をした者は、初めから相続人とならなかったものとみなされる大変重要な手続きであるため、「本当に相続放棄の意味を理解しているか?」と確認する質問でもあります。
質問例② あなたは、被相続人の遺産の全部又は一部について、これまでに処分、隠匿又は消費したことがありますか。
被相続人の遺産の全部又は一部を処分してしまった場合、相続放棄をすることはできません。(民法921条1号)また、相続放棄をした後であっても、遺産の全部又は一部を隠匿したり、私にこれを消費してしまったり、又は悪意でこれを相続財産の目録中に記載しなかったときは、(一部の例外を除き)単純承認したもの(相続放棄ができない)とみなされてしまいます。(民法921条3号)
このような事実が無いか、確認するための質問です。
質問例③ 現時点で、あなたの相続放棄の意思は変わりませんか。
相続放棄の意思に変わりはないか、確認する質問です。
質問例④ 相続放棄の申述が、被相続人の死亡から3か月を超えた時期になった事情や、被相続人が亡くなったことを知ったのはいつなのか確認する質問。
これは、被相続人の死亡から3か月を超えて相続放棄の申述を申立てた場合に、よく確認される質問です。
相続放棄は「自己のために相続の開始があったことを知った時から」3か月以内に放棄する必要があります。「亡くなってから3か月以内」と勘違いされている方もいらっしゃいますが、あくまで「亡くなったことを知ってから」3か月以内となります。
ところで、亡くなってから3か月以内に相続放棄の申立てを行えば、確実に「亡くなったことを知ってから3か月以内」という要件を満たしますが、亡くなってから3か月を超えた時期に相続放棄の申立てを行った場合、「亡くなったことを知った日はいつなのか」という事項が、相続放棄の要件を満たしているか否かという点で、大変重要な事項となります。(当事務所の場合、被相続人が亡くなってから3か月経過後に相続放棄を申し立てる場合、その事情を記載した「上申書」や参考資料等を添付し、手続きを行っています。)
そのため、「亡くなった日はいつなのか」「それは申立書(や添付した資料等)に記載されている事情や内容と相違ないか」という点を確認するため、このような質問がされます。
ちなみに、この質問は、具体的に文書を記載させる場合もあれば、選択式の場合もあり、その聞き方はまちまちです。
いかがでしょうか。相続放棄の申述は一度却下されると、再度申し立てを行うことはできません。(2週間以内に即時抗告を行うことはできますが、一度却下された事案を覆すことは、簡単なことではありません。)また、相続放棄の申立てには期限がありますので、専門家である弁護士や司法書士にご相談していただくことをお勧めします。
法律の問題は複雑で難解ですが、当事務所では、お客様に分かりやすいように説明させていただきますので、ご安心してご相談いただけます。
長野市周辺で相続放棄についてお悩みの方は、お近くの司法書士または「司法書士・行政書士ハートサポート法務事務所」まで、ぜひお気軽にお問い合わせください。